2014年11月24日月曜日

レンタカーで新型デミオガソリン車に乗りました(その2)

その1からの続きです。

【ステアリング】

  • ハンドルが重いイメージですが、微速域ではハンドルが軽いので、くるくる回せます。
  • 速度が上がるとハンドルが重くなってきます。
  • ワインディングで巡航しているときは速度が高めですので、ハンドルも重めです。
  • 素直に考えれば単純に速度に応じたパワステのセッティングなのでしょうが、現代の車はエンジンと変速機とパワステの協調制御ですので、本来ならもっと気の利いたセッティングにできそうな感じです。
  • もしかしたら、高い速度で急ハンドルを切りにくいようにすることで、スムースに曲線を通過できる感覚をもたせようといるのかもしれません。
  • 曲線の多い山道でもアンダーステアは感じませんでした。アクセルを緩く踏みっぱなしにしてだらだら登ってもすいすい曲がれますので、楽に走れます。
  • 「楽しい」ではなく「楽」です。

【サスペンション】

  •  アクセラのような「ぬるぬる動く」しなやかさは感じられません。
  • むしろ平らな面の上を流れるような感覚です。もちろん実際には前輪外側の沈み込みがあったりしますので、平らなはずはないのですが。
  • 後輪への荷重が小さいため、そうならざるをえないのかもしれません。
  • タイヤ空気圧は前輪260、後輪230と高めですが、タイヤ空気圧が高いせいで乗り心地が悪いと感じることはありませんでした。

【ブレーキ】
  • 踏んだら踏んだ分だけ効く信頼性の高いブレーキで、カックンブレーキになりませんのでコントロールしやすいです。
  • もちろん微速域でもコントロールしやすいです。
  • 停止するときの挙動も滑らかです。
  • アイドリングストップを有効にするためにはブレーキペダルをかなり踏み込む必要がありますが、ブレーキペダルが重いので、足が疲れてくるとアイドリングストップがかからなくなります。
【パワー】
  • 平坦地での巡航で1300回転、つづら折りの山道をスポーツモードで登るときでも2500回転くらいです。
  • 青信号からの出発の場合、最初は2500回転くらい、ほどなくして2000回転くらいになり、シフトアップしたら1500回転に下がり、2000回転くらいまで上がるごとにシフトアップします。シフトアップのタイミングは他のSkyactiv-Drive搭載車と同じです。エンジン回転数から判断する限りは停止状態から加速する青信号発信が一番負荷がかかっていそうです。
  • アクセラよりも車重が小さいのとエンジンが燃費偏重からパワー寄りになりましたので山道ではアクセラ1.5Lよりも楽です。
  • 山道も含めて概ねトルクの不足を感じることはありませんでしたが、唯一信号待ちの多いバイパスでは、ストップ・アンド・ゴーが多くかつ走行速度が高いため、トルクの不足を感じました。しかし、何度も信号待ちに引っかかること自体が不快ですので、それが気を急かさせていたのかもしれません。スポーツモードにして先へ進んでも次の信号で引っかかってしまいますので、単なる自己満足でしかありません。こういう場面ではアクアが一番向いていると思います(プリウスよりも出足が鋭い)。
  • 1.5Lエンジンならトルクが不足する場面がかなり減るでしょうし、ディーゼルほど値段が高くなるわけではありませんのでバランスも良いのですが、トルクを求める人にはディーゼルエンジン車を売る販売戦略でしょうから、当分の間日本向けには出そうにありません。
【スポーツモード】
  • トルクの不足する場面でスポーツモードに切り替えると、エンジン回転数が上がると同時にガツンと加速度を感じます。
  • 普通の上り坂程度ならスポーツモード不要です。
  • 連続上り勾配ではキックダウンしなくてよいので便利です。
  • 下り勾配ではエンジンブレーキ力をきめ細かくコントロールできるマニュアルモードの方が扱いやすいでしょう。
  • ストップ・アンド・ゴーの多いとき等、トルクの不足する場面でスポーツモードに切り替えたいところなのですが、スポーツモードの切り替えスイッチがシフトレバーの手前側にありますので、運転中に手探りで操作するのが難しいです。普通の車のようにシフトレバー上でボタンを押す方式にしなかったのはなぜでしょうか。スポーツモードを頻繁に使われると燃費が落ちるためになるべく使わせないようにしているのでしょうか。
【静粛性】
《エンジン音》
  • エンジン回転数2000回転くらいまでは静かです。スポーツモードにすると2500回転くらいまで上がり、エンジン音が大きくなるが、それでも安いガソリン車と同じくらいです。
  • 時速100kmでの巡航でも2000回転弱なので、エンジン音は気になりません。
  • 3000回転を越えた辺りから音が高くなってくるのはアクセラ1.5Lと同様ですが、普通に乗る限りその回転数に到達することはめったにありません。
  • アイドリングストップがかかるとやはり静かです。
  • デミオのガソリン車のボンネット裏には遮音材がついていませんが、これくらいエンジン音が静かなら、遮音材は必要ないでしょう。
《ロードノイズ》
  • 一般道では気になりません。
  • 路面の状態にもよりますが、時速80kmくらいから気になるのは先代と同様です。
《風切音》
一般道でも高速道路でも気になりませんでした。


高速走行時に最もうるさいのはロードノイズです。ただし今回はスタッドレスタイヤ装着時のものであり、夏タイヤであるヨコハマブルーアースAのときにどうなるかはまだわかりません。


【道路別の操作感】
《山道》
  • 上りではスポーツモードでゆるくアクセルを踏みながらハンドルを切るだけでつづら折りの山道でもすいすい登れます。
  • スポーツモードでも2500回転くらいまでにしかなりませんので、意外と楽です。
  • 下りは他のSkyactiv-Drive搭載車と同様にマニュアルモードでエンジンブレーキ力をコントロールしながらシフトレバー操作だけで下れます。
《ワインディング》
  • 車体が小さいのは曲線通過時に楽です。
  • ハンドルを切れば切った分だけ曲がりますので安心してハンドルを切れます。
  • 曲線通過時に座席のウレタンパッドが体にかかる遠心力を受けとめてくれますので、安心して曲がれます。
《市街地》
  • 青信号での出発時は、流れの早い道だと出足が鈍く感じられます。
  • 少し我慢しているうちに加速が伸びますので、それなりの速度には達します。
  • 2000回転でシフトアップして1500回転に下るのは他のSkyactiv-Drive搭載車と同様です。
《高速道路》
  • 時速100kmでの巡航時に2000回転弱ですので、エンジン音は気になりません。
  • ステアリングは重く直進安定性は極めて良好ですので、先代デミオに比べるとだいぶ運転が楽になりました。
  • 時速80kmを越えたあたりからロードノイズが大きく感じられました。
  • 高速道路の運転ではアクセラ1.5Lの方が快適に感じられました。
《林道》
  • 微速域での滑らかさは秀逸です。
  • 車体が小さいので狭い林道でも走りやすいです。
  • 狭い道には強いものの、荒れた道には強くありません。荒れた路面だとおなかを擦りやすいので、車高の高いCX-3の方が走りやすいかもしれません。
【アクセラ1.5Lとの比較】
《パワー感》
デミオの方が車体が軽い分、パワー感が大きいです。
《見通し》
アクセラよりも着座位置が高く、かつ車幅が狭いので、デミオの方が開放的に感じられます。
《小回りがきくか》
  • 見通しの良さとあいまって動きやすいです。
  • 狭い林道でもすいすい走れます。
《サスペンション》
  • 足回りに関しては、やはりアクセラの方が優っていると感じます。
  • アクセラの「ぬるぬる」に対してデミオは「すいすい」でしょうか。
  • Bセグメント車の場合、後輪への荷重が小さいのは物理的にどうにもなりませんので、それが制約になっているように見受けられます。
《後ろ半分》
  • 当然のことながらデミオの方が狭いです。
  • 狭いだけでなくしょぼいです。
  • アクセラの後ろ半分はしょぼくありませんし、後席も短時間乗車でしたら大人が座れる広さです。
  • 後ろ半分などどうでもよいと割り切れる人にはデミオでもよいでしょうが、狭いだけでなく乗り心地にも影響しているように感じます。
概ねデミオの方が運転が楽に感じましたが、高速道路ではアクセラ1.5Lの方が快適だと思います。高速走行時はやはり車重がある方が乗り心地や遮音の面で有利です。

【総評】
  • 公道を常識的な速度で走る限り、運転しやすくて楽な車という印象です。
  • 運転技量の低い人でも安心して運転できる車だと思います。
  • 限界を試すような走行はあまり想定していないのではないでしょうか。
  • 意図した通りに走り、意図した通りに曲がり、意図した通りに止まります。
  • 車の挙動を信頼できますので無理なく効率的に運転できます。
  • 普段使いの車として当たり前のことが当たり前にできるのですが、高級車ならともかく、このクラスの国産車で当たり前のことが当たり前にできること自体が当たり前ではありません。
  • トルクに不満が無ければ敢えて高価なディーゼル車にするまでもなくガソリン車でも十分かもしれません。